人それぞれ何らかの趣味を持っている人がいますが私も34歳の頃あるきっかけがもとで先輩に進められ詩吟をはじめました。
当初詩吟とはどんなものかわからなかったのですが道場に行きはじめて知りました。
先生に名前を呼ばれると一人一人が夢中になり精一杯大きな声を出して詩を吟じていたのを覚えています。
最初はあまり気乗りしなかったのですがそのうちみんなと一緒になり声を出し始め先生に注意されたり誉められたりしているうちに次第に興味を覚え以来68歳になった現在でももまだ続けております。
練習は週に1回ですがなかなか仕事との関係で欠席がちで途中数年間は年に数回といった時期がありました。しかし三日坊主も何とかやらで現在も時間を見つけては練習に参加するよう努めています。
道場の練習は週1回2時間ぐらいですが毎回先生に指導されたり仲間の詩吟を聞いたりとしばし仕事を忘れ本当に楽しく過ごしています。
詩吟にもいろいろな流派がありますが私の所属する詩吟の流派は岳風流といい社団法人日本詩吟学院岳風会に所属しております。練習道場は札幌光吟会といい札幌市中央区にあり毎週木曜日が練習日になっております。
先生は多田岳工先生といい現在84才となられ高齢ですがとてもお元気で指導していただいております。指導の時は辛口で厳しい先生ですがそれでいてみんなを楽しくさせ本当に素晴らしい先生です。
現在所属する道場の会員数は20名位で毎回13名位集まり練習をしております。
練習には中学生から80歳位まで男女の方々が集まり和気あいあいの楽しい一時を過ごさせて頂いています。
詩吟は大きな声を出すのでストレス解消や健康にも非常に良いといわれています。若い頃あまり体が丈夫でなかった自分が今まで大きな病気をすることもなく健康でこれたのは詩吟と妻の食事と健康管理のお陰かと思っています。
又大きな声を出すだけでなく詩の内容や研究範囲も非常に幅広くそして奥深いものがありこれで良いということはなく一生涯を通じ自分のペースで研究できるので楽しみです。
そして日本文化や中国文化にも触れることができます。
岳風会には吟道精神という言葉があり札幌光吟会では毎回練習が終わったあと必ず最後に全員で唱和するのですがこの内容が非常に好きでいつも楽しみにしております。唱和のあとはいつも清涼を感じすっきりして家路につきます。
その一節に「吟道は気を養うの道なり,人の生や気なり、気つくれば死す、気は以って養わざるべからず」という一節がありますが私はこの一説が大変好きでよく口ずさんでおりますがすべての道に通じるのではと思っています。
現代社会は何となく気ぜわしい社会に感じられます。そんな中で人生を楽しく充実する方法は人それぞれあると思われますが何か趣味を持つのも一つの方法かと思います。
人生80年長寿社会の時代です。健康に気をつけ前向きに楽しく生き悔いのない人生にしたいと願っています。
※2007年10月1日に弊社社長が執筆したコラムを再掲載しております。